先日5月15日に、いわゆる有事関連法案が衆議院を通過いたしました。有事関連法案、一般に有事法制と言われてきましたが、歴史的にみれば昭和40年に自衛隊が三矢研究を行い、国会で追及されてからはタブーとされました。昭和52年にも福田内閣で、法制化を前提としない形で研究が行われました。しかし、安全保障問題に関する55年体制下での不毛な論争により、長年のタブーとなっておりました。
私が、この有事法制について関心を抱くようになったのは、平成6年の阪神淡路大震災の時です。この時の国会質問で、当時私が秘書として仕えていた山田
宏衆議院議員(現:杉並区長)が、村山首相に早急な有事法制の制定を唱えました。少なくとも可能性はある中で、国家にとっての有事、侵略やテロもあれば自然災害もある。何か事が起こった時に何のセーフティネット(安全網)もなければ、国家の存立にとって危ういものだと思っておりました。
昨今、アメリカでの同時多発テロや北朝鮮の核開発問題など、国家の存立や国民にとっての脅威となる出来事が見受けられます。やはり国民の安心・安全を守っていくことが、政治家の最大の使命です。その意味で今回の有事関連法案が、9割もの賛成を得て衆議院を通過した事は、大変に大きな意味を持ちますし、小泉内閣の大きな成果であると思います。また、この法案が衆議院を通過する過程で、与党の実務者と野党の実務者が互いに協議を重ね合い、修正案を成立させた事は、日本の議会制民主主義が成熟しつつある一つのエポックではないかと思います。
あとは、この有事法制が使われることのないような外交的な戦略をたて、努力をしていくことが必要だと思っています。 |