元福岡県議会員 堀 ひろゆき オフィシャルウェブサイト |最終更新日:2004/05/07|ホームに戻る




政策の意志決定の遅さが我が国の大問題
空港問題の再調査に異議を唱えて

さる8月11日(月)に県の空港対策調査特別委員会が開会されました。私は、委員として審議に臨みました。前身の国際空港等誘致対策調査特別委員会から3年ぶりに空港関係の委員会についたわけです。

 さて、私は以前にもホームページで、県の新空港調査会が出した答申は、新宮沖に作ることを前提に答申をつくっている、建設費、需要予測などに問題が多いと述べてまいりました。その後の経過を見てみますと、昨年12月に国の方(国土交通省の交通政策審議会の航空分科会)で、第8次空港整備計画を策定し、その中で福岡空港については、需給逼迫はみとめられましたが、即座に新空港と言うのではなく、@現空港の有効な活用 A近隣空港(新北九州空港、佐賀空港)との連携 B新空港の建設ということが明記をされているわけです。(もっともな指摘だと思います。)その後、麻生知事も新宮沖の新空港にとらわれないという事実上の白紙撤回をしております。

 私がここで問題にしたいのは、国と地元で一体となって調査を行い調整をする機関として ア)福岡空港調査連絡調整会議 地元で主体的に調査を行う期間として福岡県と福岡市でイ)福岡空港調査委員会を作ることです。
地元の調査は既に終わっているはずです。今更何を調査してどうかわるのでしょうか。
(前身の福岡空港将来構想検討委員会と新福岡空港調査会で9年の歳月を費やし約12億円を投じて調査を終えているのです。)

 私はこの委員会で、この点を指摘し、時間とお金の無駄になるのではないかと主張しました。
県の空港対策局長の答弁では、「国で公共事業の進め方が変わった。結論だけでなく、途中の経過も公表しなくてはならなくなったので前提が変わった」とのこと。しかし、県の調査は我々の従来の指摘(調査が新空港を作ることありきだという指摘。)に対しても、調査は公正、公平を期しているという事をいっておりました。局長の答弁どうりにするなら、今までの調査の途中経過も含めすべて公表すれば良いのではないか、素朴な疑問です。

この答弁は大変奇妙でおかしな論理です。 

 少し話を変えてみましょう。アメリカ合衆国で昨年エンロンというエネルギー会社が会計の不正処理を行っていることが原因で破綻をしました。米国の企業会計そのものに対する不審として世界の景気にも大きな影響を与えました。しかし、その後数ヶ月で企業会計に関する新たな規制が設けられ、米国の企業会計システムに対する信頼を取り戻すように務めております。

日本は本当に政策の決定に時間がかかりすぎるのではないか。このことがグローバリゼーションといわれる大競争時代に国を衰退させているのではないか。こういった思いを強く抱きました。

 私は、今回の空港の地元の再調査に対して異議を投じました。そして、この問題に関しては、今までの調査で既に使用できるところがあるはずです。これを公開していくことを求めました。そして、答弁で、原データも要求があれば提出するとの答弁を得ました。従来の調査の問題点を質していきたいと思っています。

 今回の空港の問題は、時間がかかる日本の政策決定の問題点を如実にあらわしている典型だと厳しく非難をしています。政治に求められるものは、決断と実行であるとあらためて考えました。

 私が、この有事法制について関心を抱くようになったのは、平成6年の阪神淡路大震災の時です。この時の国会質問で、当時私が秘書として仕えていた山田 宏衆議院議員(現:杉並区長)が、村山首相に早急な有事法制の制定を唱えました。少なくとも可能性はある中で、国家にとっての有事、侵略やテロもあれば自然災害もある。何か事が起こった時に何のセーフティネット(安全網)もなければ、国家の存立にとって危ういものだと思っておりました。

 昨今、アメリカでの同時多発テロや北朝鮮の核開発問題など、国家の存立や国民にとっての脅威となる出来事が見受けられます。やはり国民の安心・安全を守っていくことが、政治家の最大の使命です。その意味で今回の有事関連法案が、9割もの賛成を得て衆議院を通過した事は、大変に大きな意味を持ちますし、小泉内閣の大きな成果であると思います。また、この法案が衆議院を通過する過程で、与党の実務者と野党の実務者が互いに協議を重ね合い、修正案を成立させた事は、日本の議会制民主主義が成熟しつつある一つのエポックではないかと思います。

 あとは、この有事法制が使われることのないような外交的な戦略をたて、努力をしていくことが必要だと思っています。


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